2020年の宅建試験に40点超えで合格する勉強法|過去問はいつから?何回解く?完璧とは?

▽この記事はこのような悩みを解決します。

  • 宅建の勉強の具体的な方法がわからない
  • 過去問はいつからやればいいのか?何回やればいいのか?
  • 過去問を完璧と言えるにはどれくらいやりこめばいいのか?

宅建の勉強を始めようと思って、では具体的にどういうふうに勉強をしたらいいのかわからない

そして、勉強を始めている方でも、自分勉強方法が正しいか自信が持てない、本当に合格できるのかといった悩みにも突き当たると思います。

この記事では「過去問を使った具体的な勉強方法」を脳科学・心理学の観点から極めて現実的に解説します。

過去問の習得は、独学・通信・予備校といった受講形態を問わず重要ですので、目を通しておいて損はしません。

また記事を書いている管理人は平成29年度宅建試験に計62時間で合格しており、某大手受験予備校で宅建士講座を運営している業界のプロです。

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宅建 合格証書

字は汚いです。すみません💧

目次

宅建の勉強は過去問を中心せよ!その5つの理由

「宅建は過去問の習得が重要である」

そんなの当たり前、みんな同じようなこと言ってるよと思われるかもしれません。

なぜ過去問がそんなに大事なのでしょうか?

過去問集は過去の試験にでたところを集めた問題集であるため、本試験そのものであるため本試験の対策として最も優れた教材といえるからです。

確実に合格するには過去問の習得が必要不可欠といえるでしょう。

そして、過去問を中心に学習すべき理由は以下5つあげられます。

  1. 試験範囲をすべて勉強するのは不可能
  2. 出題傾向の把握ができる
  3. 重要な知識とそうでない知識がわかる
  4. あなたには時間がない
  5. 勉強量を最小限にできる

理由①:試験範囲をすべて勉強するのは不可能だから

宅建試験は「法律資格の登竜門」と言われ、法律系の資格試験のなかでは宅建は難易度はやさしめと言われますが、それでも試験範囲が膨大です。

幅広く細かいところまでやっていては何年経っても合格ができません。

本当に重要な部分だけ、試験に出るところに力を入れる必要があります。

過去問題集をやれば試験に出るところだけを効率よく学習することができるでしょう。

理由②:出題範囲だけを効率よく学習できる

パレートの法則をご存知ですか?

パレートの法則とは
パレートの法則は80:20の法則とも言われ、「社会現状は平均的に分散しているのではなく、偏りがあり、主要な20%が全体の80%に影響を及ぼしている」という考え方です。

この80:20の法則を勉強にあてはめるてみましょう。

宅建試験の知識の2割である過去問を徹底的に勉強すれば、8割の成果を得られるということになります。

さらにAランクBランク呼ばれる重要論点・頻出論点を完璧に押さえれば宅建試験を8割の点数(40点)で合格することも可能でしょう。

本試験の出題傾向
平成29年度の本試験は50問中31問がAランクと言われる最重要事項から出題されています。つまり、過去問10年分のAランクBランクの論点・基本事項を99%確実に理解し解けるようになれば、40点越えで合格できるしょう。

宅建の試験範囲は膨大と思われますが、押さえるべき知識は全体の2割である過去問をやればいいのです。

裏を返せば、過去問の出題が少ない8割の細かな知識を徹底的にマスターしても、全体の2割にしか得点に貢献しません。

宅犬

何年も勉強していて合格できない人は、細かい部分の知識にこだわりすぎているか、勉強方法が間違っていることが多いです

過去問から出題の多いもの、全体の正解率が高いものから完璧に知識を押さえましょう。

よく出るものと多くの受験者が正解しやすい知識は絶対に落としてはいけません。

試験に出される問題をあらかじめ知ることはできませんが、過去問を読み解き試験の傾向を知ることで「試験に出るところを予測できる」ようになるからです。

そもそも宅建試験は「実務」をするにふさわしい能力があるかをチェックする試験

宅建試験は「宅建士として働くために必要な知識」が出題されるため、毎年の出題傾向が大きく変更されることはありません。

試験が10年実施されれば問題の出題のバリュエーションが尽きてしまいますので、過去問も10年分やれば試験範囲を網羅できるでしょう。

そのため、ほとんどの市販の過去問題集は10年程度の量で編集されています。

過去問と同じものが出る?

過去問演習を一通り行うと、試験に出やすい知識には偏りがあると実感できるでしょう。

宅建業法であれば35条37条書面・媒介代理・免許基準。民法であれば不動産の売買・賃貸に関わる知識が頻出ですよね。

特に宅建業法は過去問以上のことは聞かれません。宅建業法は学問ではなく実務のルールであるからです。

本試験では過去問と「同じような」問題が出題されるため、特に宅建業法においては過去問さえやれば満点が狙えるほどです。

理由③:重要な知識とそうでない知識がわかる

はじめから過去問集を読みこみ出題傾向を知ることにより、どこが重要かそうでないかの把握できるようになりるので、テキストを読みむときにメリハリがつけられます。

どこが重要かそうでないかを把握していない状態でテキストを読んでも勉強の効率が悪いですよね。

何が重要かを把握していない状態で勉強しても、「3時間机に向かってみたけれども結局何をやったか覚えていない」といった状態に陥ることになります。

勉強している時間すべてを集中して行うことは不可能です。メリハリを意識した勉強をしましょう。

理由④:あなたには時間がない

思っている以上に勉強時間は確保できないもの。

「1日1時間の勉強をしよう」と決意しても、なかなか継続できません。思わぬ障害がいくつもでてくるからです。

例えば、あなたがフルタイムで仕事をしつつ、小さいお子さんがいるような状況であれば、勉強時間に多くの時間を割くのは困難だとおもいます。ただでさえ、仕事で疲れて帰ってきて、家事をやりお子さんの面倒まで見ていれば、すぐに寝る時間が訪れてしまいます。お子さんの年齢が幼ければ夜も満足に寝れない睡眠時間が4時間以下で、1日でトータル30分しか勉強できない、まったく勉強できないといった日もあるでしょう。

忙しい日々を過ごしていれば、勉強が進まないまま、試験まであと3ヶ月しかない、1ヶ月しかないといった状況になっていきます。

試験が近づくにつれて、このテキストを使えばうかる、受からないといった情報が目に入ってきて「もしかしたら私が使っているテキストと問題集だけでは合格できないのでは?」と思い始めます。

あらゆる教材を買い漁ってみるものの、少しずつしか手を付けられないまま本試験に挑み、残念な結果になるケースが非常に多いです。

もし迷っていた時間や不安で行動していた時間をすべて勉強に当てられていれば合格できていたかもしれません。

勉強の方向性を間違えるな

試験勉強は勉強時間を確保することが大事といわれますが、それよりも勉強の方向性を間違えないことがなにより大事です。

やみくもに勉強しても合格しません。

過去問を中心に学習を進めれば、勉強方向性が大きく間違うことはありません

理由⑤:勉強量が最小限になる=最短で合格できる

たくさんの教材を買っても絶対にやりきることができません。

これだけをやる」「これだけは完璧に仕上げる」教材を決めましょう。

教材を絞ると勉強に集中できるようになります。

人は、選択肢が多いと行動をためらうようになりますし、行動を起こすのすら面倒になるからです。

モチベーンションが続かない、やる気がでないといったことの理由の一つに、やるべきことが明確になっていないことが上げられます。

脳は選択をすると疲れる
スタンフォード大学のケリー・マクゴニガル教授は、人間は迷うたびに、物事を選択するたびに頭が疲れ意思力(ウィルパワー)が消耗していくと言います。

迷いなく学習を行うシステムがあると意思力(ウィルパワー)が節約できるため、脳に負担がすくなく効率よく集中して学習ができるわけです。

教材はどのくらい必要?
分野別の過去問集(10年分〜12年分)、わからないところ調べるための網羅性のあるテキストが1~2冊あれば十分です。

講座を受講している方は、授業で使うテキストと過去問題集があれば十分合格できます。

ベテラン講師、合格者が揃えて言います。「過去問が一番大事だ」と。過去問だけは完璧に仕上げる、過去問だけは絶対にやりきるときめてやりこみましょう。

どの受講スタイルでも勉強の最終目的は過去問を完璧に仕上げること

私は資格のプロですので、あらゆる会社の宅建講座を調べてきました。

どの会社の宅建講座を選んでもカリキュラムの最終目的は過去問を完璧に仕上げるに尽きます

宅建は受験ノウハウがほぼ確立されている試験ですので、どこの会社の宅建講座を受講しようとやることは大して変わりません。

ほとんどの宅建講座は授業を受けて、授業を受けた範囲の過去問題集を解き、直前期には過去問を練り直したオリジナル問題の演習を行っていくカリキュラムになっております。

独学のかたは、テキストと問題集しかありませんので過去問を極める範囲でテキストを読んでいくことになります。

宅建試験に合格するかしないかは、過去問をいかに極められるかにかかっています

テキストを使って学習する、授業を受ける、動画講義を受ける。

これら全ての教材・講座は、過去問を理解し完璧に仕上げるための手段に過ぎません

管理人おすすめの通信講座個人的には、できるだけ教室講義に通うことをおすすめしていますが、教室講義の合格率は講師の指導力に大きく左右されることから「これがおすすめ!」とは一概に言いづらいのが現状です。

通信講座を検討されている方には、プロかつ合格者の立場から精査したおすすめ講座ランキング記事「プロ&合格者が選ぶ!宅建の通信講座おすすめランキング」を作成しましたのでご参考ください。

 

もし独学で宅建の勉強する場合は、テキストは2冊あるといい

1冊目ではわからなくても、2冊めでは別の角度から解説をしていて理解できるといったことがあるから。

メインのテキストは簡単に言葉を用いられており、図解が多用され、視覚的にわかりやすいテキストを使うといいでしょう。

そして、詳しく知りたいといった場合に辞書的に使う網羅性のあるテキストを2冊目として購入することを勧めします。

分野別の過去問集の徹底的に解き、わからないときはテキストで調べ過去問を完璧にします。時間的な余裕があれば予備校の模試や直前対策講義の受講を検討すると良いでしょう。

あくまでもやり込むのは過去問集であり、テキストは補助教材の位置付けにしてください。

どのテキストを買えばいいのか?については、どれでもいいです。どれをやっても合格できるように市販のテキストは試験範囲が網羅されているからです。

一応、個人的におすすめのTAC出版のテキストを紹介しておきます。

▽図解が多用されていて視覚的にわかりやすい教科書

▽網羅性のあるテキスト

▽分野別・論点別過去問集

過去問を使った勉強は3つの段階がある

宅建試験は毎年16%前後しか合格できない、裏を返せば84%前後の人が不合格になる難関資格です

しかし、宅建に100時間で受かった、3週間で受かったという短期合格者がいることも事実ですよね。

短期合格者には特別な才能があると思いますか?

答えはNOです。

私自身も計62時間(1日30分程度)の勉強時間で受かっていますが、特別頭がいいわけではございません。

勉強のノウハウを持っているだけ。

短期合格者のほとんどは過去問を読むことから勉強を始めます。

そして、過去問を解き、過去問を完璧にするというプロセスを経て試験に合格していくわけです。

ただし、3週間で合格は不可能とまでは言えませんが運の要素がかなり大きいです。実質的には無理と思っていただいたほうがいいでしょう。

短期合格者のほとんどは他資格の合格者であったり、勉強慣れしている人がほとんどだからです。

どんな人も勉強技術を磨けば100時間で合格は可能ですが、勉強慣れしてない人は最低300時間は見積もってください

短期合格者の勉強法の共通点は、はじめから過去問を読むこと

え?過去問を解くの?

トチ

宅犬

いいえ読みます。はじめから本試験レベルの問題が解けませんよね。
でも、始めから試験問題を読んでいいの?

トチ

宅犬

むしろ学習初期段階で過去問を読むメリット方が多いのです。

まずは雑誌をめくるようにパラパラ過去問をめくって勉強する

いきなり中身について何も知らない本を読むほど苦痛な事はありません。

宅犬

雑誌をめくるように過去問をパラパラとめくっていきましょう
過去問を「解く」というよりは、過去問を「テキストとして使って学習をする」感じ?

トチ

宅犬

そうです。しっかり読まなくても、どんな問題が出されるのかなという意識を持ってパラパラめくるだけでも効果的です

過去問を読む段階では、理解度は10%〜20%くらいで十分です。

パラパラ教科書をめくるだけで勉強になるの?

プライミング効果という「あらかじめある単語やものの情報を見たり聞いたりしていると、その記憶が頭の中に残っていて、あとでその単語が「再認」されやすくなったり、関連した単語を想起しやすくなったりする」現象があります。(引用:記憶力を磨く方法―脳の力の伸ばし方がよくわかる)

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脳はコンマ何秒というほんの一瞬のことをメッセージとして記憶してしまう性質があります。このプライミング効果は予習・復習に非常に効果的に活用できるでしょう。

予習としてテキストをパラパラとめくり「へーこんな用語があるんだなー、こんなことを学んでいくんだ」気になる単語やフレーズを眺めるだけでも、あとでしっかりと学習をするときに「そういえば、予習したな、気になってたんだよね」「どこかで聞いたことあるな」と引っかかりができるため、記憶に残りやすくなります

復習の時も、しっかりと復習をしようとするのではなくて気楽に復習をしてください。

そして時間と気力がある時はしっかりと復習をすると良いでしょう。

気をはらず、でも真面目にコツコツと知識を積み上げる感覚です。

雑誌を読むように読むスキルを磨け

勉強をしていると、本を読んでいて「頭の中がパンパンにつまる感覚」に陥ったことはありませんか?

実は、それは脳のメモリー(ワーキングメモリー)がパンパンになっているからです。

この頭がパンパンになっている感覚はどうすれば収まるでしょうか?

解決策は、読み飛ばして時間を空けて読むことです。わからなかったら飛ばしていい。むしろ飛ばした方が学習効率は向上するのです。

▽脳科学的に正しい速読の方法を解説する本

効率的に読む技術を解説してくれる本であり、世の中の「速読」と言われるものはこの方法でしかありえません

過去問は問題形式のテキストだと思う

はじめから過去問を読め!と言われますと

  • いきなり過去問なんて解けない
  • 最初から過去問を解くともったいない

とおもわれるかもしれませんが、試験に出るところしか載っていない過去問集を一番先に押さえることが確実に合格するための近道。

過去問は解くのではなく読む問題集としてテキストのように使っていくのが理想です。

過去問を試験やテストとは思わずに読む教材だと思ってガンガン使いまわしましょう。どのみち何回も何十回も読み込むのですから、完全に答えを覚えてしまいます。

テキストに出てくる文章に慣れてきたら、答えを見ないで問題を解いてみましょう。答えを見ても理解できない場合はテキストを読んで理解します。宅建の勉強はこれの繰り返しです。

後述しますが、過去問は最低4回は解きましょう

始めは解けませんが、解けなくて恥ずかしいと思う感情は捨ててしまいましょう。

解けないのがあたりまえ。

解けたら勉強なんかしなくていいのです。

勉強とはできないことをできるようにしていく行為ですから、開き直ってどんどん間違え、正確な知識を理解していきましょう。

答えがあっていたら、「なぜその答えになるのか理由を説明できるか」を意識します。詳しくは後述します。

わからない状態を作ってから、答えを読む。

科学的には「頑張って思い出す」という行為をした方が記憶の定着がよいからです。そして頑張って思い出そうとした記憶は、本試験というストレスかかる状況下でも思い出しやすいという報告があります(参考:Retrieval practice protects memory against acute stress | Science)

いきなり過去問が読めないという方はマンガから入る

宅建試験は教材が充実しているので、マンガで学習をすることも可能です。

イラストや図が豊富に入っている方がわかりやすいため、ざっくりと読むだけでも理解が深まるでしょう。

過去問を読むための準備知識はマンガで得られる知識で十分です。わからないところをその都度参考書で調べましょう。

宅建士の過去問は何年分解けばいいのか?

分野別問題集を10年分とけば宅建は合格できる

某大手T予備校の講師は「年度別過去問集を12年分完璧にできるようになれば100%宅建試験は受かる」とおっしゃっています。

年度別過去問集とは、過去問を年ごとに並べたもの。本試験そのまま問題構成

ですので、10〜12年分が宅建試験に合格するための学習量といえるでしょう。

10年分過去問をやりこめば、どのような出題形式で知識が問われているのかを知ることができ、どこを重点的に学習すればいいのかがわかるわけです。

過去問すべて解き切って余力があれば予備校オリジナル問題を解くといいでしょう。

まず分野別問題集で完璧にしてから、本試験形式の年度別問題集を解く

上記で、某大手T予備校の講師は「年度別過去問集を12年分完璧にできるようになれば100%宅建試験は受かる」といっております。

この文言をそのまま受け止めて、初期の段階から年度ごとにわかれた問題集を解こうとしてはいけません

というのも、予備校・通信の講座は、講義用のテキストと、自習用の教材として分野別題集を配布してます。最初のうちは分野別で解くのです。

分野別問題集とは、宅建業法、民法などの科目ごとに分けた問題集のこと

これらの問題集を解き終わったあとに、本試験の練習として本試験形式で解くという意味で年度別の問題集を解くことをすすめているのです。

宅建の過去問は何回解けば良いのか?

人は忘れる生き物。何回も繰り返して復習しなければ記憶に残りません

なぜ忘れるか?

宅建の知識は人が生きる上で本来必要不可欠な知識ではないからです。

人間は生命を存続させるために必要不可欠な情報を記憶にとどめる性質があります。

何回も何回も問題を解いて、間違えて、生きていくのに必要な知識であると!と頭をだまさなければいけません。

では何回問題をとけばいいでしょうか?

脳科学者である東京大学薬学部の池谷 裕二教授は4回復習することを推奨しております。

脳科学的に最も効率的なのは、以下のような復習スケジュールだと私は考えています。

学習した翌日に1回目(の復習)。その1週間後に2回目。さらに2週間後に3回目。さらに1カ月後に4回目。

全部で4回です。

引用:「復習4回」で脳をダマすことができる | プレジデントオンライン

池谷祐二の勉強法の本

薄い文庫本であっさりとした記述ながら脳科学に基づく骨太の勉強方法解説本。

最新の科学に基づく勉強法
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「最新」の脳科学から見る「最適」な勉強方法を紹介する本。

正直読まなくて良いです。ただ、最新の脳科学から考えられる最高の勉強方法の正解を示してくれるため、「いろんな勉強方法の本を読んだけど、何が正しいのかよくわからない」といった方にはおすすめ。

宅建士の過去問を「完璧にやりこんだ」状態とは?

10回やった、100時間やったは自己満足でしか無い

復習は最低4回やることを述べましたが、過去問を4回やればいいというのは不正確です。

本試験までに「完璧な知識」「正確な知識」に仕上げなければいけません。

合格する人はどのくらいの精度の知識を持っていると思いますか?

この知識の精度に関する認識があいまいのまま学習をすると、単に問題を繰り返しとくという「回数」「〜〜時間勉強した」という勉強したという結果だけに満足してしまうことになります。

完璧な知識を目指す

「完璧とは、問題を読んで、答えを①理由付けて②即答できること」です。

問題を解くときには、すらすらと問題文が読めて、どれが正解で、どれが不正解かが瞬時にわかるくらいの知識。この精度にまで知識を仕上げられればあなたは合格水準に達しているといえますし、間違いなく合格できるでしょう。即答は3秒以内で答えられるかどうかを基準にしてください。

理由を付けて答えられるとは、例えば友達から質問されたときに「〜〜だから〜〜という答えになるんだよ」という風に返せるくらいでOKです。

では、理由をつけて、即答できるまでにはどのくらいやればいいのでしょうか?

それには脳や記憶の仕組みを知る必要があります。

勉強する人は知っておきたい!記憶の5つの段階

NLP(神経言語プログラミング)による記憶の5つの段階の考え方を知れば、どのくらいの知識の精度を持てば、宅建試験において知識が完璧と言えるかが明確にわかるようになるでしょう。

出典:学習の5段階レベル – NLP学び方ガイド(NLPとは)|資格セミナー総合情報サイト|協会 公式

1.できないことを知らない(無意識・無能力)

まず5段階目の中の1段目。
勉強においては、わからないことが何かわからない状態です。

例えば、あなたが宅建の学習初学者の場合は、「重要事項の説明」「35条書面」と言われてもなんのことか理解ができないでしょう。

このように言葉の存在そのものを知らない状態が1段階目の記憶です。

2.できないことを知っている(意識・無能力)

2段階目。勉強においては、わからないことが何かわかっている状態です。

テキストの目次を見たいり、中身をパラパラとみて「これから学習してい内容をなんとなく把握・認識した」状態です。まだぼんやりと知っているだけで、言葉の意味については理解ができておりません。

このように「わからないことが何かをわかっている」段階が2段階目の記憶です。

ソクラテスの有名な言葉「無知の知(知らないことを知っている)」と同じ意味ですね。

3.意識すればできる(意識・能力発揮)

3段階目は、わからないことがわかるようになる状態です。

2段階目の記憶から進んで、理解をしていますが自由自在に使いこなせない状態です。頑張ればできる、時間をかければできるといったレベルです。

例えば、1回テキストを読んでに理解はしたものの、問題を解いた時に「あれどうだったかな」と立ち止まりますが、しばらく考えたら答えを導き出せる。

仮に導き出した答えが間違っていても、答えを聞いた時に「あーそうだったそうだった」となるくらいの記憶レベルです。

4.意識しなくてもできる(無意識・能力発揮)

4段階目は、わかっていることを知らない状態です。

例えば問題を解くときに、正しい、不正解が理由付きですぐに答えられるレベルの知識です。一通り読んでる段階ではここが違う、ここはあってるというのが理由付きですぐに答えがわかる、苦労なくできるといった状態。

ここでのポイントはすぐにわかるところです。宅建試験に合格するようなレベルの人のほとんどは、問題を読んだ瞬間に答えがわかるのです。手が勝手に動くくらいすらすらと問題を解けると宅建は合格できます。考えて解いていたのでは試験時間が足りません。

5.無意識的にできるし、人に教えられる(無意識的有能に意識的有能

5段階目は、人に教えられるようになって知識を完全に習得していると言えます。知識が完全に定着しており自由自在に使いこなせるレベルの知識なので講師レベルの知識です。

例えばあなたが仕事をはじめたての頃はいちいち考えながら仕事をしないうまくできなかったでしょう。しかし何年何十年と仕事を続けていくと何も考えなくても仕事ができますし、どのように仕事をしたらいいか教えることができます。

何も考えなくてもできる。できるのが当たり前という状態です。

この段階のレベルの知識は論述が必要な試験で求められます。司法試験や司法書士、会計士などの難関試験がこのレベルの知識が求められます 。

宅建はマークシート形式の択一試験なので、このレベルまでは必要ありません。

つまり過去問を完璧にするとは?

宅建試験で必要な知識は3や4の段階のレベルの知識です。

MEMO
3段階目、頑張ればできる、時間をかければできる
4段階目、正しい、不正解が理由付きすぐに答えられる

宅建試験において「過去問を完璧にするとは、最低でも考えれば解ける、理想はすぐに理由付きで解答ができるレベルの記憶にすること」考えなくてもすぐに答えがわかるまで繰り返し問題を解き、正確な知識を骨身にしみませます。

記憶を引き出すスピードが大事です。

試験は問題を読んだ瞬間に、どこが正解不正解かが理由をつけて答えられるくらいの正確な知識とスピードを身につけなければ受かりません。

試験には制限時間がありますので、テンポよく答えられなければ時間が足りませんし、見直しをする時間ありません。

反対に、精度の高い記憶が増えれば増えるほど、試験時間はあまります。自信を持って回答ができるようになりますし、ケアレスミスも減るでしょう。

ただ、気を張ったり、焦りでスピードをあげるのは間違いです。何度も何度も繰り返して問題を解いていくうちに自然とスピードが上がるのが理想です。仕事と同じですね。

「過去問だけでは受からない」は間違い

過去問を完璧に行ったけれども受からなかったと言う人は過去問のやり込みが不十分。

特に法律の学習経験が無い方が過去問を1回2回やった程度では、知識は定着しません。

問題を読んで、答えを理由付きで瞬時に導きだせる。そのくらいまでやって過去問が完璧と言えるのです。

答えを覚えているだけの人がいますが、本試験では角度を変えて問題が問われますので通用しません。かならず理由付きで答えられるようになりましょう。

そして最低でも4回は解いてください。

問題の正解の肢を覚えるのではなくて、1つ1つに理由をつけて答えられるようになること

過去問を完璧にするとは過去問が50問あれば50問すべて正解できるようになるではありません。

1問につき4つ選択肢があれば、その肢のすべてに対して、「なぜ、それが正解なのか、不正解なのか」を理由付きで答えられる状態が完璧です。

理由を付けて答えられるかどうか判断は、友達や知り合いに質問されたときに教えられる、または簡単に授業ができるかを基準にしてください。

宅建試験の問題のほとんどは過去問からの焼き直しのですが、まったく同じ表現では問われません。正解の選択肢だけを覚えていると、ひょっと文言を変えられたときに答えを間違ってしまうことがあります。

ただ、答えを覚えているだけだと引っかけ問題に対応できませんから、この選択肢は「〜〜だから正解である」という風に理解をしてください。

過去問10年分の問題の1つ1つの選択肢に、なぜその選択肢が正解なのか不正解なのかを理由をつけて理解していれば、本試験でも自信を持ってすばやく答えられるようになるでしょう。

宅建士は過去問学習のスマホのアプリが充実している

宅建試験は受験申込者が毎年20万人を超える超人気資格なので、宅建の勉強をサポートするスマホアプリが充実しています。

スマホアプリであればちょっとした時間に勉強できますし、テキストを持ち歩かなくても勉強ができますよね。

おすすめの過去問演習用のアプリは▽2019年版|過去問学習ができる宅建アプリのおすすめランキングで紹介しておりますので御覧ください。

まとめ

ここまでの長文にお付き合いくださりましてありがとうございます。色んな資格試験がありますが、宅建試験に関しては過去問10〜12年分を完璧にできれば受かります

過去問が完璧であればまず落ちません。

ですので、宅建試験に落ちる一番の理由は教科書や講座が悪いのではなくて、過去問をやりきれてないからだと確信しております。勉強のメイン教材は過去問。これ絶対です。過去問を理解するために独学でテキストを読んでも良いですし、講座を受講しても良いでしょう。

あらためて記事の内容をまとめます

  1. 学習の最初の段階から過去問を読む
  2. 過去問題集をテキストに、教科書は補助教材にする
  3. 過去問は10年分あれば十分
  4. 答えはわからない状態を作ってから読む
  5. 過去問は最低4回解く
  6. 問題を読んで答えを①理由付けて②即答できるくらい知識の精度を上げる

上述しましたが記事内で紹介した本はいますぐに買う必要はありません。勉強にいきづまった時、悩みがでた時に買ってください。

人間は困ったとき、わからない状態になったときに知識を吸着しようとする生き物ですから、困ったときに買うのがベストだからです。それ以外の時に読む勉強方法の本は趣味であり、時間つぶしであり、勉強ではありません。

宅建合格を志すあなたが最優先にすることは過去問を完璧に仕上げること。

そして、今は記事に書いている内容がわからなくても、学習を進めていくと勉強の方法について悩むときが必ず訪れます

未来の自分に楽をさせてあげるためにも、この記事はブックマークをし、勉強方法のマニュアルとして何回も読み返すようにしてください。定期的に読み返し、勉強の方向性が間違っていないかをチェックしましょう。

わからないことがあれば「お問い合わせ」から私に質問してください。お答えいたします。

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